
ます多様化するでしょう。アルコール市場は昔とは変わりました。新しい層をターゲットとした新しい種類の飲料が出回っており(アルコポップスが典型的な例)、昔からのブランド(蒸留酒)にも新しい独自性を持たせ、伝統的なパブや、新しい伝統であるワインバーに限らず様々なタイフの認可店舗があります。 少なくとも英国では、多くの立法や政策の基礎として受け入れられてきた知恵は、さっさと窓から飛び去りつつあるのです。 今こそ我々が英国の政策を見直し、策定する絶好の時期です。政府にその意志がないのは残念ですが、まもなく新政府が誕生するという見通しもあり、アルコール業界が多くの勢力団体の一つとして合法的に意見を提供できるように、政策決定の枠組みを設けることは非常に良いことです。お金が決定要因にならないようにする枠組みが、影響力を分配するようになります。 政策には二つの段階があると思います。まず目標・目的を設定すること。次に実際に目標を達成し、政策を実行するための方策とイニシアチブを策定することです。 広範な政策の目標設定に商業的圧力があってはなりません、できるだけ国民全体の利益に即した目標を設定することが政府の役割です。特殊な利益は捨て去り、総意を追求するのが各関係部門の責任です。 商業的利害をはじめとする各方面の利害に耳を貸し、適切であれば考慮に入れることが良いとするのは方策立案の第二段階です。 しかしこれは、経営のしくみにに似ています。最も主張の激しい、最も強力な、あるいは最も都合のいいものに優先権を与える状況を打開するには、どちらが競り値を付けるかに対して、計画、つまり政策方針がなければなりません、そのような枠組みがなければいつも強者が勝つことになります。 この発表を、身近な問題ととられる方もいれば、全く違った印象を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。「これは英国の問題のようだ。なぜ我々に話すのだろう。」とおっしゃられるかもしれません。しかし、これは英国だけの問題ではないと思います。アルコール業界が影響力を強めるため、大々的な国際協力を図りつつあることは明らかです。少なくとも私は、この会議で、その影響力に対抗するための協力と情報交換の方法について、皆さんと話し合うことができれば幸いです。
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